HOTEL-L RENEWAL PJ/WORKS[Di-Concept]

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HOTEL-L RENEWAL PROJECT

解説

レジャーホテルの計画を行う場合、確実な集客の効果を出すためには、「客を誘い込む工夫」と「リピートしてもらうための工夫」の2点を考慮してバランスよく計画を行う必要があると考える。どちらかのみに力を入れ過ぎても、改修による効果は長続きしないのではないか。そこで今回のホテルにおける改修では予算的な制約があるものの、上記の2つの工夫を考慮して以下の4つのポイントに絞って予算配分を行い改修計画を進めた。そして、それぞれのポイントに対して最低限の内容で十分な効果が得られるよう「必要な機能」と「必ずしも必要としない機能」に分けて検討している。

point of design

お客様を誘い込む工夫

POINT/01:外観

→目に留まりやすくセンスを感じさせるようポイントで表現
・遠くから見える壁面のポイント部分にキャッチを設ける。
・前面道路では、目線の低い位置の外壁面のみに雰囲気をつける。

POINT/02:エントランス

→照明で雰囲気を演出し入りやすイメージを持たせる
・シンプルかつポイント的な照明計画で雰囲気を出す。
・サインと照明の演出で「センスのよいホテル」を感じさせる。

リピートしてもらうための工夫

POINT/03:客室

→非日常の空間を実現させる
・ただ派手/キレイなだけでなく、「世界観」を明確にさせる。
・仕上材のコストを抑えた上で、照明の演出で雰囲気をつける。

POINT/04:メニューパネル

→バリエーションを持たせた視覚的な印象の強化
・各部屋のコンセプトを表現し、バリエーションを感じさせる。
・メニューパネルにも「センスがいい」と感じさせる表現を。

entrance

ENTRANCE

人を誘い込むための最低限の仕掛け/

エントランスの改修範囲は、通りを歩く人の視界に入る範囲とし、既存の形状を極力活かした内容とした。結果、壁面の塗装を行った他、ホテル名等のサイン関係の刷新、そして全体の照明による演出によって雰囲気作りを行った。

LOBBY

第一印象の場とプライバシーの確保/

ロビーはお客様にとって第一印象を感じる大事な場所。加えて客同士の微妙なプライバシーに配慮する必要がある。そこで全体の照明を照度を落とし床面に光を集中させた。細かな装飾は行わず、メニューパネルを浮き立たせることで雰囲気を演出している。

lobby
room/luxary

ROOM-01

客室内の演出/日常の延長と非日常感。明確な世界観の表現を/

レジャーホテルの激戦区であることから周辺の競合とは一線を画した明確な個性を演出する必要があった。そこでテーマを「オトナの空間」として、1室1室に明確な個性を、コストを掛けずにシンプルに表現することとした。左記の部屋は黒を基調とした中に、ゴールドのクロスを貼り分けて室内にアクセントを持たせている。そして風呂・洗面(脱衣)との境界にフリンジカーテンを2重に設け、その間を天井からのダウンライトの照射によって雰囲気を出している。「見えそうで見えない」フリンジカーテンの「透け感」が独特の個性を出している。

ROOM-02

最低限の模様替え/クロスの貼り分けと照明効果による雰囲気作り/

客室内の改装に当たっては「明確な世界観」を表現することを優先して考えた。
具体的には、各部屋に与えたコンセプトをベースに、壁・天井は1000番代クロスのシンプルな貼り分け。床は塩ビタイルの貼り分けによって構成した。それに加えてポイントを絞った効果的な照明の演出によって、安っぽさを与えないような配慮を行っている。またベッドパネルは最低限とするために、住宅に使用される一般的な調光器程度、エアコンのリモコン取付、有線放送を並べて配置する程度とした。

room/leo

非日常の「第2のおうち」

今回の計画では外観の一部及びエントランス部、全18室の客室のうち6室の改修を行った。
レジャーホテルの計画を行う場合、確実な集客の効果を出すためには、「お客様を誘い込む工夫」と「リピートしてもらうための工夫」の2点を踏まえてバランスよく計画を行う必要があると考える。そこで今回の改修では上記の2点を考慮して、本当に必要な機能と過剰な機能とを分類し、要素を絞り込むこととした。その上で最小限の費用で十分な効果を生むよう改修計画を進めている。
改修ポイントのうち、特に客室においては、「明確な世界観」を表現することを優先させた。
一般的なクロスの貼り分けと照明の演出効果のみではあるが、コンセプトを明快にすることによって、日常にはない非日常の世界観を演出するよう心掛けている。また、周辺物件との差別化の観点から、カジュアルなイメージよりも「オトナなカップル」が似合う空間として黒を基調としたイメージを採用し、他にはない独特のイメージを持たせるようにした。一方で設備面は最小限とし、ベッドパネルは照明系のスイッチやエアコンのリモコンのみにするなどの徹底した効率化を図っている。
最近のライフスタイルを表すキーワードの一つに「OUCHI」という言葉がある。情報が簡単に手に入るようになった現代、外に出ることなく「おうち」、つまりは家の中での快適性や自己実現を求めている人が増えているという。そんな中で今後のレジャーホテルに必要な要素とは、ただ派手な内装、過剰な設備機器のラインナップなどではなく、「明確な世界観をもった室内空間」であり、「おうち」では感じられない「非日常感」ではないかと考えている。設備面においても、そんな非日常のおうちを実現するために必要な要素に絞り込まれるべきであるだろう。そしてそれは大きなコストを掛けることなく実現ができるものであると考える。そんなシンプルな「第2のおうち」を実現することを考え、今回の計画を行った。(竹村尚久)